天然知能
意識の向こう側
郡司ペギオ幸夫著
講談社選書メチエ, 2019
2019年2月10日 「毎日新聞」書評 中村桂子さん
2019年2月27日 「朝日新聞」文芸時評 磯崎憲一郎さん
2019年3月9日 「日本経済新聞」書評 野家啓一さん
2019年3月9日 「朝日新聞」書評 野矢茂樹さん
2019年3月30日 「聖教新聞」書評
2019年4月21日 「読売新聞」書評 鈴木洋仁さん
2019年4月28日 「産経新聞」文芸時評 石原千秋さん
2019年6月24日 「公明新聞」書評 小川仁志さん
『ケトル』2019年4月号 書評 橋爪大三郎さん
『週刊朝日』4・19号 「ベストセラー解読」永江朗さん
「考えるな、感じろ」とブルース・リーは言った。
山の向こうにも同じように風景が広がることや、
太平洋でイワシが泳いでいることを信じられる。
今までのこだわりが、突然どうでもよくなる。
計算を間違い、マニュアルを守れず、ふと何かが降りてくる。
それらはすべて知性の賜物である。
生きものの知性である。
今こそ天然知能を解放しよう。
人工知能と対立するのではなく、
意識の向こう側で、想像もつかない「外部」と邂逅するために。
わたしがわたしとして存在するための哲学。
201901刊/四六判/256頁
定価1700 円+税
ISBN978-4-06-514513-5
カバー絵は当研究室の広報係 中村恭子さん(日本画家)の作品を使わせていただきました。
《鯖蛙》(《皿鉢絵巻》より), 2017年
TANKURI
創造性を撃つ
中村恭子+郡司ペギオ幸夫著
水声社, 2018
藝術――外部を召喚する装置、いや墓とは?
藝術作品の〈解読〉が〈構想〉になり、〈構想〉が〈解読〉となる。その相互運動は解読と実践の両輪をもたらし、創造とは何かを狙い撃つ。
中村恭子の代表作をフルカラーで一挙掲載。日本画家と、理論生命科学者が、まばゆいばかりに光輝く創造性の本源に鋭く迫る!
201812刊/B5判上製/フルカラー198頁
C0070 定価4320 円(本体4000 円)
ISBN978-4-8010-0389-7
装幀:中村恭子
ベルクソン『物質と記憶』を解剖する
現代知覚理論・時間論・心の哲学との接続
郡司ペギオ幸夫・河野哲也・B.デイントン ほか
書肆心水, 2016
拡張ベルグソン主義宣言!
時代にあまりに先駆けて世に出たがゆえに難解書とされてきた『物質と記憶』。最近の「意識の科学」(認知神経学・認知心理学・人工知能学)と「分析形而上学」(心の哲学・時間論)の発展により、ベルクソンがそもそも意図した「実証的形而上学」の意味で『物質と記憶』を読み解く準備がようやく整ってきたことを示す画期的論集。
知覚と記憶の接続・脱接続――デジャビュ・逆ベイズ推論(pp 311-331)郡司ペギオ幸夫
201611刊/A5判/384頁
C0010 定価3500 円+税
ISBN978-4-06-514513-5
群れは意識をもつ
郡司ペギオ幸夫著
PHPサイエンス・ワールド新書, 2013
数万羽が列をなして大空を一方向へ飛ぶ鳥、大海を泳ぐイワシの大群、餌に向かうアリの列…
動物の群れがなぜこのように統率のとれた行動をとれるのか?
動物の群れをめぐるさまざまな謎は、多くの科学者や人工知能研究者たちを魅了してきた。
そうした知見をくわしく紹介するとともに、沖縄・西表島をフィールドにしたカニの集団渡河行動をめぐる著者たちの研究成果を取り上げることで、個と集団の微妙な関係性に新たな光を当てる。
単行本(ソフトカバー): 294頁
出版社: PHP研究所 (2013/7/20)
定価:1188 円(本体1100 円)
ISBN-10: 4569809502
時間の正体 デジャブ・因果論・量子論
郡司ペギオ幸夫著
講談社選書メチエ, 2008
「わたし」はこの現在に立ち尽くす。「わたし」には現在しか許されない。にもかかわらず、「先ほどの現在」、「五分後の現在」といった変化を認めるなら、現在が運動する土台としての三人称的歴史が必要となる。こうして、時間は、一人称と三人称の接続する場所として開示されることになる。現代の脳科学や認知科学は、主体がこの世界の中で生きているということは、世界と自らとの折り合いをつけることであるということを明らかにしつつある。それは、世界とその表象とを、絶えず調停することであり、両者の間に同期をとることである。自分自身の運動と、その結果に対する知覚に関して、脳は絶えず同期をつくり出す。ときに時間は縮み、ときに因果関係は逆転さえする。このような主観的時間の現象が実験的に論証されつつある。翻って同期をつくるとは、まさに「現在」を絶えずつくることである。本書で展開する時間論は、これらの現象を理解する強力なツールとなるだろう。
単行本: 266ページ
出版社: 講談社 (2008/9/11)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062584220
ISBN-13: 978-4062584227
発売日: 2008/9/11
生きていることの科学 生命・意識のマテリアル
郡司ペギオ幸夫著
講談社現代新書, 2006
生命・進化・意識の正体にまた一歩近づいた。ロボットの痛み、手触りのあるプログラム、点のなかに書きこめる点――モノ対ココロの二元論でも、物質還元の一元論でもない、生命理解の新たなステージへの誘い。(講談社現代新書)
ロボットの痛み、手触りのあるプログラム、日本一のラーメン屋、就職できない若者、「アペオス」のコマーシャル―多彩なメタファーを縦横に駆使して、生命・脳と意識・進化の核心を解き明かす。あの郡司理論が画期的にわかる、待望の一冊。
フォーマット: Kindle版
ファイルサイズ: 922 KB
紙の本の長さ: 194 ページ
出版社: 講談社 (2006/6/20)
販売: 株式会社 講談社
言語: 日本語
原生計算と存在論的観測―生命と時間、そして原生
郡司ペギオ幸夫著
東京大学出版会, 2004
オートポイエシス、自己組織化論を越えて―。内部観測論の決定版。実在論を否定して存在論の領域へ。意識、私、理解、発見=発明、進化などの諸問題を、隠喩的数理モデルを援用し解読する。
実在論を否定し存在論を追究する。意識、私、理解、発見=発明、進化などの問題を扱いながら抽象的隠喩的な数理モデルを援用し解読する。内部観測論の決定版。
単行本: 564ページ
出版社: 東京大学出版会 (2004/07)
言語: 日本語
ISBN-10: 4130100971
ISBN-13: 978-4130100977
発売日: 2004/07
生命理論―第1部 生成する生命/第2部 私の意識とは何か
郡司ペギオ幸夫著
哲学書房, 2006
生きて死ぬということから出発し、生成の内部へと分け入る理論生命科学者の処女作。主にドゥルーズに言及し、記号論的三項関係に触れながら、生成一般を論じる。巻末に桧垣立哉との対談を収録。
現象論的意識、現象論的計算・原生計算、原生実験を章を立てて考察し、潜在性と意識に関して達した結論を通して、「生命とは何か」なる問いの意味の洗い直しとその解読を目指す。
2002年刊「生命理論−生成する生命」、2003年刊「生命理論−私の意識とは何か」の合本です。
単行本: 537ページ
出版社: 哲学書房 (2006/03)
言語: 日本語
ISBN-10: 4886790887
ISBN-13: 978-4886790880
発売日: 2006/03
共著、寄稿
科学と文化をつなぐーアナロジーという思考様式
郡司ペギオ幸夫著「アナロジーの位相:利口なハンスの知性はどこにあるか」
東京大学出版会, 2016
アナロジーは研究の専門性と動向を特色づけると同時に、分野を越えて研究者をつなぐ。ときに危うく、ときにエキサイティングに、私たちが〈共通の場所〉にいることを確認させる――。哲学、人類学、自然科学、芸術など多様な専門家が集い、思考様式を見つめなおす。
郡司研メンバーの中村恭子さんも寄稿しています。
単行本: 364ページ
出版社: 東京大学出版会 (2016/3/19)
言語: 日本語
ISBN-10: 4130603159
ISBN-13: 978-4130603157
発売日: 2016/3/19
脳と生命と心―第一回養老孟司シンポジウム
郡司ペギオ幸夫著「クオリアと記号の起源:フレーム問題の肯定的意味」
哲学書房, 2000
−さまざまな専門的見地から生命や心を探る。構造主義や脳科学界などの諸氏によるシンポジウムの記録−
本書は1999年11月に東京大学で行われた,第1回養老孟司シンポジウムの記録である。参加者は,池田清彦,郡司ペギオ幸夫,計見一雄,澤口俊之,団まりな,松野孝一郎,茂木健一郎,養老孟司という,構造主義や脳科学界などで名だたる各氏である。
主催者の養老氏は,特に主題をおかずに「絶えず変化していくものとしての生物というシステムと,それ自体は変化しないという性質をもつ情報とがどのように関係しているか」を,生命,時間,記号,伝達などを軸に探り,またそれらを全体として意識しながら各専門的な議論をどこに位置づけるかを模索している。一見複雑な議論になるか物別れに終わりそうなものだが,互いの立場を尊重しながら本音でぶつかり合い,生命や脳へのアプローチに新たな発見を醸し出している。
普段,脳科学や生命,進化などの研究発表で個別に感銘することはあっても,そこからさまざまな事象とともに全体的にとらえることがどれほどできただろうかと考えると,本書の意義深さが強く感じられる。 (ブックレビュー社)
(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)
単行本: 281ページ
出版社: 哲学書房 (2000/04)
言語: 日本語
ISBN-10: 4886790712
ISBN-13: 978-4886790712
発売日: 2000/04
古生物の形態と解析 (古生物の科学2)
郡司ペギオ幸夫著「時間を担う形態―生命基礎論序説」
朝倉書店, 1999
「古生物の形態とその解析」というテーマで、古生物や現生生物の形態の見方や考え方を、比較解剖学、発生学、形態計測学、形態形成論、構成形態学、理論形態学、バイオメカニクス、および形態認識論の視点から概説するとともに、今後の課題を考察する。いずれの章も、これまでの研究の単なる紹介に留まらず、当該分野の研究の現状と今後の課題がクリティカルにレビューされていて、ユニークな内容になっている。
単行本: 220ページ
出版社: 朝倉書店 (1999/12)
ISBN-10: 4254166427
ISBN-13: 978-4254166422
発売日: 1999/12
内部観測 (複雑系の科学と現代思想)
郡司ペギオ幸夫著「適応能と内部観測」
青土社, 1997
科学の常識を根底から覆し、「複雑系」をとらえる方法として注目を浴びる「内部観測」は、存在論と認識論のアポリアを超える新しい哲学理論でもある。この日本で提起された画期的理論を、「内在物理学」の理論とも突き合わせながら初めて明確に定式化する。
内容(「MARC」データベースより)
日本で提起された哲学理論「内部観測」は、存在論と認識論のアポリアを超えた、複雑系をとらえるための格好の方法論として注目を浴びている。この「内部観測」を、内在物理学理論と突き合わせて明確に定式化する。
単行本: 243ページ
出版社: 青土社 (1997/12)
言語: 日本語
ISBN-10: 4791791444
ISBN-13: 978-4791791446
発売日: 1997/12
生命システム (複雑系の科学と現代思想)
郡司ペギオ幸夫著「多様性の生物学」
青土社, 1997
複雑系の生命的シナリオ。生命とは何か―この問いに対する「カオス力学」モデルのアプローチを明確に定式化するとともに、生物学の「アポトーシス(細胞死の誘導過程)」理論や、複雑系の方法論「内部観測」によって、このアプローチを「死」の問題系へと接続する。
内容(「MARC」データベースより)
生命とは何か。この問いに対する「カオス力学」モデルのアプローチを明確に定式化すると共に、生物学の「アポトーシス(細胞死の誘導過程)」理論や複雑系の方法論「内部観測」によってこのアプローチを死の問題系へと接続。
単行本: 180ページ
出版社: 青土社 (1997/11)
言語: 日本語
ISBN-10: 479179141X
ISBN-13: 978-4791791415
発売日: 1997/11
脳と心のバイオフィジックス (シリーズ・ニューバイオフィジックス 9)
郡司ペギオ幸夫著「心の論理構造」
共立出版, 1997
本書では、このような脳科学の進展を念頭において、脳と心の問題をより広い視野で考えてみた。すなわち人間や霊長類以外の下等動物や人工物にも対象を広げ、手段としては物理、数学、工学の分野から心の謎に迫ってみた。まず最初に、心の研究の哲学的な流れをとらえ、今後の研究の課題を明らかにした。次に、心を動物の系統発生や個体発生の立場に立って考察し、細胞レベルから霊長類にいたる心の階層構造を議論した。引き続き、現在の物理法則で心を表現することができるのか、あるいは何か新しい理論が付加されなければならないのか、心の動きは、分子、電子あるいはそれらの量子効果で説明できるのか、などきわめて魅力のある疑問をとりあげ、心の物理・数学像とは何かに迫る。最後に、人工知能やニューラルネットの研究、あるいはロボティクスなど、人工の心から、人の心にせまる試みについて述べる。
単行本: 240ページ
出版社: 共立出版 (1997/10/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4320054725
ISBN-13: 978-4320054721
発売日: 1997/10/1
講座 生命’96〈vol.1〉生命の思索
郡司ペギオ幸夫著「生命の様相―縮退するユリイカの構造」
哲学書房, 1996
生きものとしての生命を生きる営みの一部であった、知ることや考えることは。生命を問うとは、哲学することの成立の基盤そのものを問うという自己言及のパラドクスに抗すること。たとえば「脳死」に促されて「生命」に向きあった刹奈、通常の論理は破綻する。哲学をその生誕の源において回復するための、これは年一回刊行される新形式の講座である。
単行本: 285ページ
出版社: 哲学書房 (1996/09)
言語: 日本語
ISBN-10: 4886790615
ISBN-13: 978-4886790613
発売日: 1996/09
季刊ビオス2 この私、とは何か
郡司ペギオ幸夫著「内部観測者にとってのモデル:創発性、構造、固有名の起源を語るために」
哲学書房, 1996
生きものとしての生命を生きる営みの一部であった、知ることや考えることは。生命を問うとは、哲学することの成立の基盤そのものを問うという自己言及のパラドクスに抗すること。たとえば「脳死」に促されて「生命」に向きあった刹奈、通常の論理は破綻する。哲学をその生誕の源において回復するための、これは年一回刊行される新形式の講座である。
出版社: 哲学書房 (1996/02)
言語: 日本語
ISBN-10: 4886793010
ISBN-13: 978-4886793010
発売日: 1996/02
季刊ビオス 1 生きているとはどういうことか
郡司ペギオ幸夫著「生命の理論:脱構築という装置から2つの理論形態へ」
哲学書房, 1995
「生きるもの」は全て、おのずから生じ、みずからを形づくる。「生きているもの」を生きものたらしめる、おおもとの力、「生命」とはいったい何か。この世界にあって運動するあらゆるものを貫いている根源的生命とは宇宙そのものといいかえることもできる。それは芽ぶき、生成する自然だ。生きることの根に結ばれたことばによる、哲学がいま始まる。
単行本: 216ページ
出版社: 哲学書房 (1995/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4886793002
ISBN-13: 978-4886793003
発売日: 1995/10
生物学にとって構造主義とは何か―R・トム J・ニーダム F・ヴァレーラを含む国際討論の記録
郡司ペギオ幸夫著「波動信号の構造―腕足動物における内腕骨変態と肋形成の機構」
吉岡書店, 1991
1986年に大阪でひらかれた、世界最初の構造主義生物学の国際的な会合の全記録。現代の生物学の主流である、要素還元主義と遺伝子の自然選抜にもとづく進化論とをのりこえる理論を創造するために、構造主義を中心に種々のアイデアを交換する。
単行本: 297ページ
出版社: 吉岡書店 (1991/09)
言語: 日本語
ISBN-10: 4842702389
ISBN-13: 978-4842702384
発売日: 1991/09
構造主義をめぐる生物学論争
郡司ペギオ幸夫ほか
吉岡書店, 1989
いま、日本で生まれつつある2つの新しい生物学理論―ひとつは、表面からみつけにくい深層構造の無根拠な任意性から出発して、複数の構造の存在を認め、しかも構造が確固たる物質的基盤にもとづく以上、脳だけが、排除しあう構造の具現化しうる場だと仮定できるとして、生物学と科学論の再構築をめざす。もうひとつは、人間の対象認識が、自己自身の観察の対象となることから生ずる無限の循環を、再参入の形で数式化し、この認識過程を生物自体にあてはめることによって、生物に特有な瞹眛さを記述しようとする。この2つの理論を中心に、3世代にまたがる9人の科学者が、物理学、生物学、科学論などの立場から、京都で徹底討論した。「衣笠シンポジウム」の、臨場感溢れる全記録。
単行本: 318ページ
出版社: 吉岡書店 (1989/03)
言語: 日本語
ISBN-10: 4842702230
ISBN-13: 978-4842702230
発売日: 1989/03