《そうめんとすいか》
中村恭子筆, 30×30 cm, 2011年〜2014年

本画(掛軸)の展示は9月からに延期になりました!

 この画題を永らく、「すいかそうめん」と聞かされてきたが、本当は「すいかとそうめん」らしい。本当の、というのは、新宿かどこかの蕎麦屋で、確かに、「すいかとそうめん」という名で、ショーウィンドウに飾られていたらしいのだ・・・



《蛸工図(たこうず)》(部分)
中村恭子筆, 116.7×91 cm, 2011年

 何年か前銀座の画廊で二人展をやっているとき、中村氏の蛸工図(本書カバー図)と呼ばれる日本画が展示されていた。その絵の上方には、いきものである蛸が蠢いている・・・



《生殖の線ーハナバチー》
中村恭子筆, 53×56.5 cm, 2007年

 中村恭子の作品「ハナバチ」は、オフリスというランの絵である。オフリスは或るハチのメスに擬態し、オスバチを誘いこみ、受粉に利用するそうだ。中村は、ハチとランの間に、普遍的な性を、生殖の線を、見出していく・・・



《生殖の線ーキログロティスー》(部分)
中村恭子筆, 116.7×116.7 cm, 2008年

 鑑賞者は、観念と素材の二重性とずれの中にこそ、見ることだけではなく、外部に触れること、知覚、コミュニケーション一般があることを知る・・・